【脂質制限ダイエット完全マニュアル】ダイエットするならこれ!
脂質制限ダイエット(ローファットダイエット)をご存知でしょうか?
糖質制限ダイエットという言葉を聞いたことがある人は多いかと思います。
このダイエット法は”糖質”を制限します。
一方、脂質制限ダイエット(ローファットダイエット)は”脂質”を制限するダイエット法です。
今回は、筆者がオススメするこの”ローファットダイエット”について詳しく説明してきます。
Contents
脂質制限ダイエット(ローファットダイエット)とは?
食事によるダイエットには、”糖質”を抑える方法と”脂質”を抑える方法があります。
脂質制限ダイエット(ローファットダイエット)とは、文字通り”脂質”を抑えるダイエット方法です。
糖質制限ダイエットに関してはこちらの記事で解説しています!
(もう一つの3大栄養素である、タンパク質を制限するダイエット方法は、筋肉量の減少による代謝の低下を引き起こすため、推奨されません)
ローファットダイエットを成功させるためのカギは、インスリンの分泌を低い状態で安定させることです。
(もちろん脂質を抑えることが大前提です)
インスリンは体脂肪の合成を促し、平行して、体脂肪の分解を妨げてしまいます。
そのため、インスリンとダイエットには密接に関係しているのです。
インスリンに関しては、こちらの記事で詳しく解説しています!
インスリンの分泌を抑えるためにも、ローファットダイエットにおいて摂取する炭水化物は、グリセミック指数(GI値)の低い食品を選ぶ必要があります。
ローファットダイエットのキーポイント、GI値
脂質制限ダイエットを成功に導くためのキーポイントは、この”GI値”です。
GI(グリセミック・インデックス)値とは、食後の血糖値の上昇度合いを示す指数です。
食後血糖値が急上昇すると、インスリンが大量に分泌されます。
GI値が低い食材を摂取することで、血糖値の急上昇を防ぐことができます。
「ローファットダイエットは脂質を抑えればいいから、炭水化物は何を食べてもいい」という考えは捨てましょう。
摂取カロリーが同じでも、GI値が高い食品を摂った方が体脂肪が増えたことを示す論文も発表されています。(ただし、研究対象は人ではなくラットです)
(縦軸:体脂肪、横:経過時間(週)、上の折れ線:GI値高い、下の折れ線:GI値低い)
参考文献:
K. B. Scribner et al. “Long-term effects of dietary glycemic index on adiposity, energy metabolism, and physical activity in mice”, American Journal of Physiology-Endocrinology and Metabolism., Vol. 295, no. 5, ppE1126-E1131, Sep. 2008
GI値の低い炭水化物がローファットダイエットを成功に導くのです!
ローファットダイエットにおいて摂取したい炭水化物
GI値の低い炭水化物って、何を食べればいいの?
代表的なGI値の低い炭水化物
・オートミール ・玄米 ・ソバ ・全粒粉パン |
日本ではあまり市民権を得られていないオートミールですが、ボディメイクをしている人にとってはとてもポピュラーな食品です。
美味しくないと言う人もいますが、お吸い物の元やめんつゆなどの和風の味付けで食べると結構美味しいです。
(筆者は単純にオートミールが好きなので、ダイエット関係なく朝食として毎日食べています)
Amazonで購入できるため、食べたことが無い方は是非チャレンジしてみて下さい!
(スーパーで見かけたことはありません。みんな大好きKALDIでは売っています!)
ローファットダイエットにおいては、以下のように炭水化物を低GI値の食品に置き換えてみて下さい!
・白米 ⇒ 玄米、タイ米、ジャスミン米、オートミール
・うどん ⇒ そば ・食パン、菓子パン ⇒ 全粒粉パン、ライ麦パン ・ジャガイモ ⇒ サツマイモ |
低GI値の食品は食物繊維が多いというメリットもあります!
(食物繊維が多いため、GI値が低いとも言えます)
食物繊維は食事の分量を増やす効果があるため、ダイエット中でも満足感を感じることができます。
また、ダイエット中は食事量が減るので便秘になりがちですが、食物繊維には排便を促す効果があります。
(毎朝オートミールに乾燥ワカメをプラスして食べている筆者は毎日快便です!)
食物繊維に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。
満足感を得ながら健康に痩せるためにも、食物繊維を多く含んだ低GI値の炭水化物を摂取することが重要です!
ローファットダイエットにおける栄養配分
散々炭水化物の話をしてきましたが、ローファットダイエットの基本は”脂質”を抑えることです。
ローファットダイエットのカロリー配分の目安
タンパク質:3割 脂質:1割 糖質:6割 |
三大栄養素それぞれのポイントを見ていきましょう。
タンパク質
タンパク質は筋肉、臓器、血液、酵素、ホルモン、皮膚や毛髪を構成する主要成分です。
タンパク質が不足すると、筋肉が落ちるため基礎代謝が低下し、太りやすく痩せにくい身体になります。
糖質制限ダイエットにおいて、タンパク質はしっかり摂取しましょう。
筋肉の分解を防止するためにも、体重×約1.4~2.0g以上のタンパク質摂取が目安となります。
タンパク質に関して詳しく知りたい方は、こちらの記事を参照して下さい。
ローファットダイエットでは脂質を抑える必要があるので、脂質の低いタンパク質源を食べる必要があります。
脂質の低いタンパク質源
・鶏むね肉(皮は脂質の宝庫なので捨てて下さい) ・ささみ ・タラ(白身魚) ・エビ(甲殻類) ・ノンオイルツナ缶 |
(ツナ缶にはオイル漬けのタイプもあるので、注意して買って下さい。ノンオイルだと思って買って、いざ食べようとした時にオイル入りだとショックで気絶します)
マッチョがささみばかり食べているイメージがあると思いますが、ローファットダイエット時の非常に大事なマブダチなのです!
脂質
ローファットダイエットにおいて、重要なのが脂質の制限です。
しかし、脂質の摂取を0にすればいいという訳ではありません。
脂質の摂取量を抑えると、コレステロールの数値が低くなり、男性ホルモンや女性ホルモンのレベルが下がってしまいます。
全体のカロリーの1割は必ず摂取するようにして下さい。
体重から算出する場合、除脂肪体重×0.8gが1日に必要な脂質な最小値となります。
体重60kgで体脂肪率が10%の場合の脂質量
(60 - (60 × 0.1) ) × 0.8 ⇒ 43g(390kcal) |
無意識に食事をしていると脂質は過剰になりがちなので、脂質を抑えることに注力しましょう。
脂質制限中の脂質はなるべく良質なものを摂るようにします。
具体的には、卵とフィッシュオイル(EPA・DHA)です。
(中山きんに君さんは卵を5個食べているそうです。筆者は2個です。)
オメガ3脂肪酸であるEPAやDHAには、心臓疾患の抑制、免疫力向上、抗炎症作用があり、健康において多くのメリットがあります。
フィッシュオイルというサプリメントでEPAやDHAは摂取できるので、是非試してみて下さい。
脂質に関しては、こちらの記事で詳しく説明しているので是非ご覧ください!
炭水化物
説明してきた通り、炭水化物はGI値の低いオートミール、玄米、ソバ、全粒粉パンなどを摂取して下さい。
炭水化物(糖質)と聞くと、糖質制限ダイエットからダイエットの敵とみなされます。
しかし、糖質は大事なエネルギー源です。
糖質を制限すると、筋肉が分解され、痩せにくい身体になってしまいます。
ローファットダイエットにおいては、炭水化物もしっかり摂取して下さい。
実際のローファットダイエットのやり方
ここでは、具体例な数字を使って、脂質制限ダイエットにのやり方を解説します。
代謝量の算出
ネットで検索すると、例のような基礎代謝を計算するサイトがあります。
筆者は現在28歳の167cm/65kgなので、基礎代謝は1600kcalとなります。
(TANITAの体組織計で計った基礎代謝が1550kcalだったので、概ね合っています)
ここに生活活動強度をかけます。
強度1:1.3 日常生活であまり動かない
強度2:1.5 通勤などで歩行時間が少し長い 強度3:1.7 軽いウォーキングや負荷の強い作業をしている 強度4:1.9 ハードなトレーニングをしている |
筆者は開発職で仕事中はほぼ座っているので、強度1の指数1.3となります。
従って、1日の消費カロリーは基礎代謝1550kcal × 指数1.3 = 2000kcal となります。
摂取カロリーの算出
体脂肪1kg減らすのには約7200kcalのエネルギーを消費する必要があります。
1ヶ月で1kg減量することを考えると、7200kcal ÷ 30日 = 240kcal となり、1日に240kcal減らせばいいことになります。
消費カロリーが2000kcalであるため、1日の摂取カロリーは 2000kcal - 240kcal =1760kcalとなります。
ここで、注意点が2つあります。
①一気に摂取カロリーを減らし過ぎない
⇒一気に摂取カロリーを減らすと身体に大きな負担がかかります。
また、身体が減量に慣れて体重の減少が停滞した際、次に打つ手がなくなってしまいます。
②摂取カロリーを基礎代謝代謝以下にしない
⇒摂取カロリーを基礎代謝以下にすると、いくら栄養素を意識しても筋肉が分解され、代謝が落ちます。
摂取カロリーを基礎代謝程度まで落としても体重が減らなくなった場合、運動をして消費カロリーを増やして下さい。
栄養配分
タンパク質:
体重の2倍g摂取します。
筆者は体重が65kgなので、65kg × 2g/kg = 130gのタンパク質が必要になります。
タンパク質は1g4kcalなので、520kcalとなります。
脂質:
除脂肪体重×0.8gを摂取します。
体重65kgで体脂肪率が15%の場合、
(65 - (65 × 0.15) ) × 0.8 = 44gとなります。
脂質は1g9kcalなので、400kcalになります。
糖質:
残りの摂取カロリーを糖質とします。
摂取カロリー1760kcal - タンパク質520kcal - 脂質400kcal = 840kcalとなります。
食品の栄養素はSlismというサイトで確認できるので、食品選びの際に参考にして下さい!
食材を入力すると、タンパク質、脂質、炭水化物(糖質)量を出してくれます。
ローファットダイエットのメリット・デメリット
ローファットダイエットってどうなの?
ここではローファットダイエットのメリット・デメリットを見ていきましょう!
メリット
①食事の不自由が少ない
元々日本人の脂質摂取量はそこまで多くありません。
厚生労働省発行の”日本人の食事摂取基準報告書”によると、筆者と同じ20代男性の1日の脂質摂取量の中央値は63.9gです。
筆者がローファットダイエットを行う場合の脂質量が44gであるため、少し意識して脂質を減らすだけで達成できます。
糖質制限ダイエットのように我々日本人の主食の米のような炭水化物を制限するよりよっぽど楽です。
②パワー不足になりにくい
糖質制限ダイエットでは、高強度のパフォーマンスが落ちることは論文で報告されています。
参考文献:
A. Zajac et al. “The Effects of a Ketogenic Diet on Exercise Metabolism and Physical Performance in Off-Road Cyclists”, Nutrients., vol. 6 pp.2493-2508. 2014
糖質制限と脂質制限の両方を実践したことのある筆者からしても、ローファットダイエットでは糖質を制限した時より、トレーニングの質が落ちにくかったです。
筋トレをしている人の場合は重要なポイントになります。
(減量中に今まで挙がっていた重りが挙がらなくなると、恋人に振られるレベルでショックなのです)
③甘いものが食べられる
甘党の筆者からすると非常に重要なポイントです。
もちろんケーキなどの洋菓子は食べられませんが、脂質をほぼ含まない和菓子は食べることができます。
(ただし、GI値は高いため日常的に食べることはオススメしません)
減量中に甘いものを食べられるというのは精神衛生上、非常に重要です。
(糖質制限ダイエットではどこかケミカル感を感じる人工甘味料に頼ることになるので、その差は歴然です)
デメリット
①体重が停滞しやすい
糖質制限ダイエットと脂質制限ダイエットを比較すると、脂質制限ダイエットの方が停滞しやすいと言われています。
停滞すると摂取カロリーを落としていく必要があるため、ダイエットが辛くなります。
②空腹感が多い
いくら食物繊維により腹持ちがいいとは言え、脂質制限ダイエットでは空腹感に襲われます。
脂質を摂取する糖質制限ダイエットと同じカロリーだとしても、空腹感は全く違います。
筆者はよくあたりめで空腹を紛らわせていました。
③脂質を受け付けなくなる
完全に体験談ですが、参考レベルにして下さい。
ローファットダイエットでは、脂質制限終了後の脂質の耐性が明らかに下がります。
もつ鍋など食べようものなら完全に胃もたれします。
ボーナスが出た際に両親を連れていいとこのステーキ屋に行きましたが、同じgの肉を食べたのに、筆者だけ胃もたれしました。
サーロインステーキは200gも食べられません。
重ねて言いますが、これはあくまで個人の体験談なので、そこまで参考にしないで下さい。
まとめ
・ローファットダイエットでは、インスリンの分泌を抑えるために、グリセミック指数(GI値)の低い炭水化物を摂取しましょう
・GI値の低い炭水化物として、オートミール、玄米、ソバ、全粒粉パンがオススメです
・全体のカロリー収支のうち、 タンパク質:3割 脂質:1割 糖質:6割 が配分の目安になります
・ローファットダイエットにおけるオススメのタンパク質源は、鶏むね肉、タラ、エビ、ノンオイルツナ缶です
・ホルモンバランスを保つためにも、除脂肪体重×0.8gの脂質は摂取しましょう
・ローファットダイエットのメリット
食事の不自由が少ない
パワー不足になりにくい
甘いものが食べられる(和菓子限定)
・ローファットダイエットのデメリット
体重が停滞しやすい
空腹感が多い
脂質を受け付けなくなる(参考)
やり方 タンパク質 ダイエット リバウンド ローカーボダイエット ローファットダイエット 代謝 便秘 炭水化物 糖質 糖質制限 脂質 脂質制限